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喜んでもらえる出産祝いかどうかは???

夫の同僚のところに、めでたくお子さんが生まれたので、夫が「出産祝いに<育児の百科>を贈りたいんだけど、amazonってギフト包装ってしてくれるの?」と聞いてきた。

ギフト包装ね、頼んだことはないけど、有料オプションでありますね。どの程度の包装をしてくれるのかは写真見てもあんまりピンと来ないですが。

で、「それはいいけど、うちにあるような大型版の「育児の百科」はもう絶版で、今は、岩波の文庫になってるよ」などと言いながら検索したら、上・中・下の3冊中、下巻が現在、増刷中で注文できない。まぁしかし、中までで「1歳6ヶ月まで」なんだからとりあえず、下巻は手に入ってから追加で贈るか、ということに。

育児の百科、というのは(似たようなタイトルの本は色々あるが)京都で小児科医をされていた松田道雄さんという方が1967年(私生まれてない!)に出された本で、1980年に新版、1987年に最新版、と版を改めつつ150万部を超えるロングセラーとなった本だ。1998年の春、に「『定本 育児の百科』を出すにあたって」という文章が記されたようだが、著者はそれからまもなく、1998年の6月に亡くなった。「定本」の第一刷が出版されたのは1999年3月。我が家にあるのはその「定本」。
夫が「これってウチは誰にもらったんだっけー」などと言っていたが、違うっつーの、これは私が買って来たの。でも、なんでこの本を買うことにしたのだったかはもう忘れてしまった。どこだかで探してなかったものが、地元の老舗?書店の小さな支店に並んでいて、レジの人が「この本はどの店にも一冊は必ず置くように言われてますから」と言っていたことだけは覚えている。

定本のあとがきによれば、著者は「急速な医学の進歩に内容が古びないように」、イギリス、アメリカ、北欧、オランダ、カナダ、オーストラリアの小児科雑誌、医学週刊誌に毎日目を通して、毎年の改版で加筆していたという。とはいえ、全体を通してみると、たとえば離乳だとか、あるいはトイレトレーニングだとか、日光浴だとか、イマドキの育児で推奨されるやり方とは食い違っている部分がないとは言えない。あるいは繰り返し出てくる「医者」の描写にも「今時の病院はそんな治療はしないだろう」みたいな部分もある。赤痢とか結核とかに関する言及があるのも、さすがに時代が違うかなー、という感がするのは確かだ。

だけど、この本は、細かな育児の技術じゃなく、むしろ大げさに言えば「精神」を読み取るべき本なのだと思う。隣の子がおむつが外れたからといって焦っても、自分の子のおむつが外れるものではない、とか、離乳食を作って食べさせることで一日を終わらせるな、子どもは一人ひとり違うのだからよその子と比べるな、とか言ったことが、独特の語り口で語られる。もちろん、お医者さんが書いた本なのだから、病気について多くの章が割かれているし、月齢に応じて決め細やかに病気のことが書かれているという点でも色々参考になるのだけれど。

最近はほとんど読まなくなっていたけれども、娘がこのごろ時々、おなかが痛いと訴える、割には熱もないしそのうち平気で遊んでいるし、どうも悪いところがあるわけじゃなさそう…という感じで、久々に「子どもの腹痛」なんてページを読み返した。あー、なんか、前にも読んだよなー、ここ。第一、栞はさんであるし。

この本、表紙の写真の男の子が実にいい顔をしていると思うんだけど、文庫では写真がほとんど割愛されてしまったようで、残念。
これ一冊に頼りきってしまうのはちょっと支障があるかもしれないけど、子育てに対する姿勢はこんな風でいいのかー、みたいに読んでもらえるといいのかな。果たしていい出産祝いになるでしょうか。ちなみにうちの夫はこの本の大ファンなのですが。

お誕生日ばんざい、という章(満一歳になったときの章)は、今読んでも、私は泣いてしまう。ただ、私、涙腺が目茶苦茶ゆるいので(この間、子どもと行った子ども向け映画でもボロボロ泣いてたのよ、実は。自分でもこんなんで泣きたくない、と思いながらすぐ涙を流してしまうのです)何読んでも割とすぐ泣く、ってことはあるんですがね。

<前略>人間は自分の生命を生きるのだ。いきいきと、楽しく生きるのだ。生命をくみたてる個々の特徴、たとえば小食、たとえばたんがたまりやすい、がどうあろうと、生命をいきいきと楽しく生かすことに支障がなければ、意に介することはない。小食をなおすために生きるな、たんをとるために生きるな。<中略>
赤ちゃんの意志と活動力とは、もっと大きな、全生命のために、ついやされるべきだ。赤ちゃんの楽しみは、常に全生命の活動のなかにある。赤ちゃんの意志は、もっと大きい目標に向かって、鼓舞されねばならぬ。<中略>
「なんじはなんじの道をすすめ。人びとをしていうにまかせよ。」(ダンテ)
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by mmemiya | 2009-02-05 23:07 | 子育て、子育ち | Trackback | Comments(6)
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Commented by at 2009-02-06 00:11 x
そうか、「小食をなおすために生きるな」か~。
なんだか小さなことにばかり気をとめてしまう自分に
「もっと後ろに下がってみなさい」と言われた気がしました。

いい一節ですね。
買え、ワタシ(笑)
Commented by れいちぇる at 2009-02-06 16:05 x
いい本だよね~以前、貸していただいてありがとうございました。
上の子の成長に合わせて少しずつ読んだから、お返しした時点より後の章は読んでなかったりするけど。しかも病気のところはほとんど見てないし。
でも、ほんと、精神面でかなり助けてもらいました。写真も昭和の香りがしていいよね。赤ちゃんの体操のイラストも最高。くすっと笑えるし。あの独特な語り口がまた、読みやすく、す~っと入っていける感じ。私も「お誕生日ばんざい」は何度も読みました。病気関連で一番覚えてるのは「腸重積」^^
Commented by okimuff at 2009-02-06 23:38 x
1980年に長女を産んだ私も、この本の熱烈な愛読者でした。不安になると繰り返し繰り返し読んだものでした。
なぜかまだ持ってます。
この次に夢中になったのは「さくらさくらんぼ幼稚園」の齋藤先生の著書、そしてシュタイナーへと辿り着きました。私の子育ては、これらの本に大いに助けられました。仰るように「育児の百科」の古臭い素朴な子ども達の写真がいいですね。
Commented by mmemiya at 2009-02-09 23:13
>夏さま
小学校入学までぐらいでほぼ終わり、の本なので、リアルタイムの子育てにはもうあまり参考にならないかも、ですが、読み物としては、面白い、気はします。図書館にもあるかもしれませんが、すんごく重いです、旧版は。

>れいちぇるさま
そう、腸重積は何が何でも覚えておけ、って本ですね。あのお貸しした本、つまり「定本」の写真は、実は著者が亡くなる前に写真の入れ替えを指示していて、出来上がったのが亡くなって数日後…みたいな話をちらっと読みました。なのであの写真は、実は「平成」のものも入ってるかもよ。撮影年月日までは分からないけどね。

>okimuffさま
やはり、さすがはロングセラー!ですね。たまに、読む人をより不安にさせる、というか、叱ってるような育児書があるような気がしますが、この本は勇気づけてくれる本ですよね。斎藤先生はお名前だけ存じ上げてますが読んだことないです。機会があれば読んでみたいと思います。
育児の百科、okimuffさまがお持ちのものと私のものは、どうやら写真が変わっているようですが(全部変わっているかどうかは分かりません)他の版の写真も見てみたいです。
Commented by shimotaka1971 at 2009-02-10 10:41

こんにちは!
昨年3月出産の際に購入しましたが、その時も下巻は注文できませんでした……。
そうか。まだ「増刷」してるのか。
ウチの場合、「心配症」という言葉では片づけられないほど
心配症で、常に最悪な事態を予測してしまうダーリンを見て、
サマンサ母に「松田先生の本を読ませなさい!」と言われて購入しましたが、
データ主義のダーリンは「データが古い」とあまり興味がない様子。
いい本なんですけどねー(確かに一部古いけど)。
結局「心配症」はちっとも治らず、
「どうしてサマンサはそんなに呑気でいられるの……」といつも言われています。

ちなみに、最近では小西行郎先生の著書がよかったです。
なんかくよくよ悩んでいた時に救われました~。


Commented by mmemiya at 2009-02-11 13:51
サマンサさま
え、ずーっと「増刷」なんですか?ほんとに出版されてるんでしょうか??
というか、サマンサさんのところの王子達が生まれてもうすぐ1年?そっちの方に吃驚したり。
ダーリンさんには松田道雄、通じませんでしたか・・・。うーむ、手強い。
古いって言っても、ダーリンさんも含めた私たち、その古いやり方で育てられて、大きな問題なく育ってると思うんですけどねぇ・・・。
小西先生の「赤ちゃんと脳科学」は、サマンサさんが強力にお勧めしてらっしゃるのを見て、実はずっと、アマゾンの買い物かごに入ってるんですよ。ただ、赤ちゃんってもう私にはあんまり関係ないかなー、とか。でも、早期教育とかなんとか、幼児まで関係のありそうな話なら、やっぱりまだ、読む価値充分あり、でしょうか。