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La Lune Lunatique

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喉もと過ぎれば、にならぬよう…

またしても腰を痛めた。

いつも、腰痛を起こしては、「この痛みが収まったらちゃんと体操とかしよう」と誓うのだが、結局、喉もと過ぎれば…でおざなりのまま、またしても。(前に、このブログのコメント欄で、具体的な腰痛克服のアドバイスなんかもいただいたというに…。)
職場で座ってて、立ち上がるとき、なーんか腰が伸びきらない感じがする、まずい…と思っていたのだが、結局、翌日は大事をとって安静にするために一日休みを取るような自体に陥ってしまった。あああ。

で、一日中、布団の中に転がっているしかなかったので、多少は本が読めた。とはいえ、まだ、大量に買い込んだ小学校英語に関する本は、全然消化しきれていない。(全然別口で、「シモネッタのデカメロン」は面白く読んだ。文庫の割に読了にけっこう時間がかかったんだけど、それだけ内容が詰まってるってことかしらん。シモネタだというに。)

とりあえず、買い込んだ本を羅列。今後、感想を追記していく予定。

私の当面の目標は、現在、うちの子が通っている小学校でやっている「英語活動」の具体的な内容等を出来るだけ把握すること、そして、それが「役に立ちそう」なのか「毒にも薬にもならない」のか「害がありそう」なのか親の立場として判断すること、最後に、仮に害がありそうなら対処法を考えること。で、判断の根拠をはっきり持つために、目下付け焼刃で勉強中なんである。

小学校学習指導要領解説 外国語活動編
…一番中味がなさそうだけど、一応、基本として。

・21年度から取り組む小学校英語―全面実施までにこれだけは (「新学習指導要領」実践の手引き (4))
未読。敵を知り己を知れば、百戦…違うか。

・日本の小学校英語を考える―アジアの視点からの検証と提言
まだパラパラ見ただけだけど、かなり興味深そう。

日本の英語教育に必要なこと―小学校英語と英語教育政策
前書きと目次と一番面白そうなところだけパラパラ見た。落ち着いて読みたい。

・「英語が使える日本人」は育つのか?―小学校英語から大学英語までを検証する (岩波ブックレット)
未読。 6.16読了。この薄いブックレットにこれだけの金を出す価値があるのかやや疑問。なんか、小学校の英語導入は文章じゃなく単語にすべきみたいなことが当然の考え方のように語られていて、その根拠を知りたいんだがそこまで触れてない。広島市の具体的な英語指導計画はネットにあがっているだろうか。

・外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か
読了。直接、小学校英語とは関係ない内容が多いかもしれないけど、すっきりと整理されていて、自分が漠然と思っていたことが、けっこう、学問的にも裏付けられてることなんだ、と、少し自信を持ってみたり、新たな発見があったり。「外国語を身につけるためには、正しい文を一定量読んだりする経験が必要」という私の兼ねてからの思いは「インプット」という言葉で表現されるらしい。なるほど。私にはフランス語のインプットが足りないのね。英語は、例えば「<Open me a beer/Open me the door>のどちらが英文としておかしいか、ネイティブはすぐ分かるけど、その理由を言葉ではっきり説明できる人ばかりではない」みたいな部分を読んで、一応、どっちが変かはピンと来る程度には、私には英語のインプットはあるらしい。文法は学習上大事だが、そもそも、どんな言葉の文法も完成されてはいない(文法ってのは、要は、生きた言葉に対する後付の説明で、ぜったい説明し切れないところがあるんだよね)ってのは日本語文法を見てる限りでも深く納得。


・アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている―英語が話せない子どものための英語習得プログラム
読了。興味深かったが、日本の小学校英語でこれを全面的にやるべきとは思わない。これはやっぱり、英語を第一言語にしていく子ども(たとえ英語が母語じゃなくても。つまり、アメリカで暮らしていく移民の子どもとか)向けのプログラムであって、第二言語への取り組みがこれとそっくり同じである必要性はないと思う。英語を第一言語にしたい人(一部の、子どもへの語りかけを全部英語でやってる親御さんなんてのは、日本に住んでても、子どもの第一言語を英語にしたいのかも、と、私には思える)はどうか知らないけど。
音韻体系については改めて考えさせられた。そういえば、印欧語で、散文ではない定型詩というのは恐らく韻を踏んで当然のものだろうし、中国語だって、漢詩ってそうだ。日本では短歌も俳句も韻を踏まなくてもいいし、韻を踏むなんて子どもの言葉遊びみたいなイメージがあるが、日本語の音韻が少ないからなんだろうなー、と思う。子音と母音が分離できるという意識は我々にはなく、「石」と「足」は韻を踏んでる、と思えても、「石」と「秋」が韻を踏んでいるとはあんまり思えない。I/SH/I A/K/Iって分解したらどっちもIで終わるんだけどさ。
あ、あと、私はこの本に出てくる英語の童謡(PAT A CAKEみたいな言葉遊び歌)のかなりの部分が歌えるので、割と読み進めやすかったが、メロディとか知らないと、CD抜きのこの本はちょっと分かりづらいところもあるかも。

・アメリカの小学校教科書で英語を学ぶ―アメリカの小学生と同じテキストで愉しみながら英語を学ぶ
パラパラ見た。これも、日本の小学校英語とは直接関係がないんだけど、これは単に、面白そう、と思って買った。いきなり、最初に出てきたアメリカの教科書の文章(ちなみに科目は社会科)に吃驚。アメリカ人とは何か?という標題がついているんだけど、始まりが「次の4段落は、間違った順序に並んでいる。これらを読んで、もっとも論理的な順序に置き換えよ」なんですよ。日本の社会科の教科書に、こんなのきっと出てこないでしょう。なんつーか、英語というより日本で言えば国語のあり方、というか、小学校における言語教育のあり方について考えさせられる本になるのかもしれない。
by mmemiya | 2009-06-16 00:20 | 読んだ本