La Lune Lunatique

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もう一度I like apple.を考える。

もう少し、先の英語活動参観に対する感想を整理しておきたくて。

What fruit do you like?で検索すると、あちこちの学校の実践例がヒットします。細かなゲームの内容等に差はあれ、ある程度、実践例として既に広く用いられているのでしょう。

それらを見ていると、はっきりと、「I like apples.」などと複数形が記載されているもの、「I like ○○」だけで、単複いずれを用いているのかはっきりしないもの、例文は「I like ○○」だが「児童に単数形との違いを感じさせる」等の記述があるため恐らく複数形を用いていることが推測されるもの、「I like orange.」とあからさまに間違っているもの、実に様々です。

私の立場としては、児童に、しかも小1の児童に(断わっておきますが、What fruit do you like?という単元は、小3に実施しているものもあるし、検索で見つけた対象年齢はバラバラです)単数形と複数形などというものを教える必要はないと思います。ただ、明らかな誤りを教えるのは、やはりどう考えてもまずいわけです。

たとえば、どこかの国に、日本語を学んでいる小学生がいるとして、一人の児童が「わたしリンゴ好き」と発言したら、教師はもちろん、この発語を否定しないでしょう。否定ではなく、肯定して、褒めて、かつ、「私はリンゴが好きです」と補強するのが教師の役割ではないでしょうか。
あるいは、うちの娘が(もうちょっと大きくなりすぎたけど)「Cちゃんリンゴ好き」と言ったら、母たる私は「そう、Cちゃんはリンゴが好きなのねぇ」と返すでしょう。これは、当然、子どもの発語を否定しているわけではない。否定するのではなく、より正しい形式を、決して訂正するのではなく、示してやる。言葉を学ぶ過程の、とりわけ初めのうちには、こうした場面がつきものではないでしょうか。

そうした意味で、児童が「I like apple. 」と発言すれば、教師はそれを受け止めて、「 I like apples.」と繰り返すべきだろうと思います。ただしここで問題となるのは、児童は(一部のカタカナ化している果物名はともかく)そもそも果物の英語名をほとんど知らない、というのが前提で、この単元では、What fruit do you like? I like...のやりとりの前に、まず、果物の英単語を学習して、それを使って繰り返しをする、ということになっていることです。
「りんご」をappleと教えただけでは、applesの形は導き出せないわけです。だとすると、複数形を使わなければ正しい発言ができない「I lile (果物名)」は、そもそも、英語導入初期の単元としてふさわしいのか、という話にもなってきます。
じゃあ、果物を使って別の話をしようか…となると、今度は、恐らく冠詞を導入しなきゃならないわけで、an apple, a banana,などと、冠詞の説明をしなきゃならなくなる。これはこれで、なかなか厄介であろうことも想像がつきます。What color do you like?(果物の前に息子達がやってた単元)はこういう問題がなくって良かったんですけどねぇ。

こうして考えてみると、やはり、小学生向けの学校における英語教育カリキュラムというのは、まだまだとても、練り上げられているというには程遠いように感じられますが、どうなんでしょう。

最初から単数複数だの、冠詞だの、間違ってたっていいじゃない、というご意見の方もいらっしゃるのかもしれません。しかし、わざわざ学校で間違いを教えてどうするんですか。子どもの発言は間違ってたっていい。それは私も100%肯定します。しかし、教える側がわざわざ間違いを教えるなんてことは、あっていいわけがない。
この、ネット上の実践例の実例を見るにつけ、ああ、やはり、日本人(自分も含め)は、日本語にない概念の冠詞とか、あまり意識しない概念の単数複数とかに弱いんだなぁ、と、何を今さら当たり前のことを再確認したわけですが、もし仮に、万が一、個人的にはあってほしくないのですが、日本が英語を公用語化したような場合、日本では、一般的に通用する「私はリンゴが好きです」の表現が、I like apple.になってしまう、ということは、十分ありえることだと思います。私がこの表現を許容するのは、そうしたピジンイングリッシュが(ピジンじゃなくってクレオールなのかもしれんが、まぁ母語世代が出るまでピジンということで。)自然発生的に生まれ、社会において意思疎通の道具として共有化されたときだけです。それは、ことばの持つダイナミクスの一つというか、自然な流れだと思うので、否定はしません。が、現在の日本において、英語が「外国語として」教えられる以上は、その外国語の正しい形を学ぶのが当然というものではないでしょうか。
学んで身につくか、は、別の問題です。外国語としての英語をそれなりに精一杯学んだ我々が、いざ、英語で会話する段になって「I like apple.」って言っても、相手は、変な表現だな、とは思いつつ、言いたいことは理解してくれるでしょうし、何もいえないよりはずっとマシでしょう。けれど、とりあえず、学ぶ際は、教科書に間違ったことは書いておいてほしくないですね。

…というだけの文字数はとてもなかったんですが、とりあえず、この件については意見を差し上げたのですが、はたして、どんな返答が返って来ますやら。
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by mmemiya | 2009-07-06 21:51 | 日々雑感 | Trackback | Comments(0)
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