La Lune Lunatique

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というわけでヤマトに突っ込んでみる

息子が熱を出した翌日は、あーこりゃ一日休んで医者行って…まぁ今日はなんとか休めるしな~、とか思っていたら、起きた本人はいたって元気で、熱も測ったら平熱で、「学童へ行きたい!」というので、弁当作り始めていなかった母は慌てて弁当作り。
木曜の朝は、トイレ行ったら便が緩かったという娘が「ぽんぽん痛いから保育所行けない」と言い出し、しかしどう見ても痛がっているそぶりはなく、あの手この手で宥めすかすうち、1時間遅刻。なにやらバタバタの一週間でした。ちなみに娘は金曜はごく普通に登園。木曜、担任と話したところでは、水曜、保育所でもちょっと元気がなかったそうで、水曜に何かあったのかもしれないけど、結局、原因不明。
まぁ、この娘が「ぽんぽん」とか赤ちゃん言葉を使い出すのは、何か甘えたいことがあったんだろうけどな~。
(正月に私の実家で「お昼は雑煮にしようか」とウチの母が言ったら「お雑煮は勘弁してください」と言ったとか、月曜、帰宅後に遊んでばかりいるので、「明日の準備はしたのかー!」という私に「こんなタンジカンで出来るわけないでしょ!」と言い返した、とかが最近の我が娘5歳半語録。上の子も通知表に「語彙が豊富で感心しました」という担任のコメントがあったのだが、言葉が達者な分、娘が赤ちゃんコトバを使い出すと、ものすごいわざとらしさがあるんだよな…。)

さてさて、ヤマト復活編を見に行ってもう2週間。落ち着いて頭を冷やして考えてみれば、そもそも、ヤマトが突っ込みどころ満載なのは別にこの復活編に始まったことじゃないわけだ。っていうほど、ヤマトシリーズに詳しいわけでもないんだけどね、私。ただ、子どものころ、テレビでヤマトの映画が何度か放送されてたが、その度に、アニメ好きなうちの父が欠かさず見ていたので、一緒に見ていた、というだけで。(うちの父は今年年男の72歳だが、部屋にジブリのビデオとかいっぱいある。そんな父の一番お気に入りだったのは、日本ではイマイチマイナーだが、一定以上の年齢のフランス人なら誰でも知ってる「キャプテンハーロック」である。)

まぁしかし、デスラーのマントが宇宙空間で風になびくのが「ありえねーだろ!」ではあっても、デスラーにはそれなりの魅力があった。ひるがえって今回のヤマト。若い新しいキャラクターが全然印象にのこりゃしない。とっぴな髪型の双子が機関室にいたなぁ、とか、自分の役割が全然分かってないとんでもない女医がいたなぁ、という覚え方ってちょっとあんまりだわ。なんか、メインブリッジの若い子が、みんな同じに見えるのよ。昔はさ、島も相原も加藤も、それなりに個性的だったと思うんだけど…。(でも南部とか太田とかになると実は分からない私…。)「○○クンはいつも<腹減った>ばっかりよね」なんて説明的な台詞で、一回しか「腹減った」と言わないキャラが印象付けられるわけないって。

こっから、相当長い、くどい文章が続くので、とりあえず総括しておけば、穴だらけのストーリーも、おいおい、の設定も、各キャラのそれなりの魅力と、音楽の力で乗り越えてきたのが過去のヤマトではなかったか。新たな魅力あるキャラも出ず、過去のヤマトを支えた音楽家達が鬼籍に入って、なにやら戦闘シーンまでクラシックで埋め尽くされた今回のヤマトに、残念ながら突っ込みどころを抱えてなお、それなりに魅せる…という力はなかったように思う。



代わりに印象に残るといえば、己の役割を勘違いする人々。

・すんげー大勢の乗組員がいる描写があるのに、なぜかメインブリッジのクルーが(操舵手だぜ)「一人でも多い方が」と戦闘機に乗りに行っちゃう。パイロットだけがそんなに不足なのか。そんで艦長が操舵手。寄せ集めのゲリラじゃあるまいに、どんな正規軍これ。

・医者として乗り込んでるはずなのに「これがやりたくてヤマトに乗ったんだ」と、やっぱり戦闘機に乗りに行っちゃう女。それなら医者としてじゃなくパイロットとして乗れ。(軍医の位置づけが軽すぎだろう。)っていうか、なんでそんな奴らが乗れる艦載機があまってんの。

・「ヤマトの戦いぶりに感服した」とか「ブシドー」とか言って突然、前線で同盟への裏切り行為を働く敵の将軍。「我が星の人々は分かってくれる」って、同盟国から「おまえの星を殲滅してやる」って言われただろうが。おまえは同盟をどうするかなんてことまで全権委任されてないだろー!こんな軍人、いたら困る。(それ言ったら古代も勝手に宣戦布告しているな・・・。)

・艦長の癖におよそ艦長らしいことをしない古代。いや、こいつが艦長向きじゃないのは昔っから変わらないが。そして艦長なのに一人で娘を助けに出ていくな。大勢の人が乗った救命艇を助けに行くのに、自分以外一人しか乗れないような機体でとんでくことがこれまたもう。
(そして、娘は無傷っぽいのに、どうも他の人は全部死んでる模様・・・どういうことよ、それ。)

総じて、古代一人がスーパーヒーローな物語。最後だって、若手押しのけて波動砲撃っちゃうしな、古代が。かといって、古代のキャラに深みがあるわけでもない。森雪とめでたく結婚したものの、宇宙を忘れられず、妻子を何年も地球に放っておいて、宇宙の辺境で小さな貨物船の船長をする古代…ってのが冒頭なんで、ちっと鬱屈してるのかと思いきや、初めての船に乗って未知の宇宙人をあっという間にやっつけたら、もう何の迷いもなさそうに古代一人がただ大活躍。

そしてストーリーはといえば、余りにも間抜けな奴らばかりが目につく。

・地球がブラックホールに飲み込まれる、っつんで、地球人類は全員、別の星への移民を開始するわけですが、着いた先は別の異星人が住む主権国家。第一次、第二次移民団は途中でおそわれ壊滅に近いかと思いきや、それでも3億人はたどり着いている。突然、3億の異星人にやってこられたアマールの立場は!っつか、23世紀の地球人口が何人だか知らないが、数十億の人間を乗せられる移民船を多数建造してる間に、普通、移民先に探査団が行くだろ。なに断りもなしに他所の星に億単位の人間を送り込んでいるのだ。移民先をとっとと変更しておけ。
(その後の戦いの経緯からして、移民前に許可を取っていたとはとても思えないんだな。ボートピープルが流れ着いた、ではなく、地球人類の存亡をかけた移民計画である以上、もっと用意周到にやっておけ!)

・多くの星の異星人達が星間連合だかをつくってるわけだが(この異星人がみんな地球人類と同じヒューマノイドなのがヤマトクオリティ。「目が前方に2つしかないなんて不便な奴ら」とかヒューマノイドを見下す異星人が混じっててもいいのにねぇ。)地球人類、遙か遠くアマールへ無数の宇宙船を送り出す能力がありながら、この星間連合の存在を知らない!今まで宇宙のどこでも遭遇しなかったなんて、間抜けすぎ。「これは地球の建造物じゃないぞ!」のかけらの一つぐらい、見つけておけっての。

・最大のお間抜けがラスボスの異次元星人。「あのブラックホールは俺達が作ったんだぜ」などと自慢して、あっさり古代に「人工の建造物ならどうにかして壊せる筈」と見破られ、めでたくブラックホールは破壊されて地球は助かりめでたしめでたし。

原案が石原慎太郎だろうとそうじゃなかろうと、まぁヤマトが戦争賛美とか特攻賛美みたいなところがあるのも、別に今に始まったことじゃない。しかしなぁ、地球人の移民を受け入れたってことで同盟国に攻撃されるアマールで、人々が女王の神殿に押しかけて「ヤマトと共に戦いましょう!」「真の独立を!」って言うのはねぇ。そこはどう考えたって「あの異星人どもを早く追い出せ」になるでしょ、フツー。
私は、第二次世界大戦中の日本の行為を正当化してるのかと思ったが、ネット上の解釈では、「アメリカ主導の世界情勢に、日本は異を唱え、他の国家をリードすべし」という風になっていて、ああなるほど、という感じ。

そして、冒頭でいきなり、まったく必然性のない裸身を披露する森雪、おっと古代雪は、普通に考えりゃ死んでるはずだが死体見つからないまま。なんだこれ、まだ続きでもやりたいって気があるのか、と思っていたら、エンドロールには「第一部完」と出たそうで。(娘が、文字だけ延々と続くエンドロールに耐えられず、エンドロール見てないの。)ヤマト的には当然、森雪は異星人に助けられて助かっているのであろう。

その他にも、第二部が製作されたらこの謎とけるの?な部分がちらほら。

・ラストシーンでつっぷすヒロイン(なんだろうな、あれ)。彼女のいる第三艦橋に大穴が空いている。普通、当然、死んでいるわけだが、これまたヤマト的にはどうなのかねぇ。ってか、真空で穴空いてたら、宇宙空間に吸い出されてるだろうがよ!

・これで地球が助かって万々歳?土星は確かブラックホールに飲み込まれた後。木星はどうだっけ。ともかく、太陽系の重力バランス狂いまくって、とても平穏な地球は戻っては来まい。

しかし、興行成績がそう芳しいとも思えないし、実写版ヤマトはどうなるのか知らんが、この「復活編」に第二部があるとはあんまり思えないよね…。
まぁ、仮に第二部が製作されても、わたしゃもう結構、という気分ですが、私がネットを見て「続きを作るつもりなんだってよ!」と叫んでたら、娘、「続きがあるの?Cちゃんそれ見に行きたい」。・・・お前、あれだけ退屈してただろーが!もう私は、映画館であんたを宥めるのもごめんだよ!
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by mmemiya | 2010-01-09 17:51 | 日々雑感 | Trackback | Comments(2)
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Commented by シロタ at 2010-01-20 10:27 x
はじめまして。
いつも楽しみに拝読させていただいてます。
(確か佐藤亜紀氏の小説の検索でこちらに辿り着いたように覚えています)

クールなツッコミ具合が大変素敵です。
評判を聞くだに観るまい、と決意が固まる映画なのですが、ツッコミ映画と思えば楽しめそうに思えました。
とはいえ、お疲れさまでした(笑)。

突然に失礼しました。
Commented by mmemiya at 2010-01-20 20:32
シロタさま
はじめまして。
ではございますが、実は、当ブログをRSSに入れてくださっているのを
ずいぶん前に検索で見つけまして、私のほうもときどき拝読しております。
なんでこのブログが…佐藤亜紀関係?と思ってましたが、やはり、
そうでしたか。
なんというか、こんなブログよりずっとずっと読み応えのあるブログを
お書きなもので、このようなコメントいただくと汗顔の至りです。
ヤマトは…誰かにこうして無理に連れて行かれないと見る必要は
なさそうだと思います。仮に見ることになればツッコミ映画として
楽しむしかないのでしょう(笑)。
佐藤亜紀さん、「陽気な黙示録」が文庫になりましたね。単行本
未収録の文章が多数と言われては買わずにはいられません。
文庫が千円超えかぁ…とは思いますが。
また私も時々お邪魔します。今後ともよろしくお願いいたします。