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La Lune Lunatique

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朝食はクロワッサン?

家に投げ込まれる無料の情報誌(まぁ、大体毎号同じ飲食店や美容院などの紹介が出ているのだけど、ついぱらぱら見てしまう)に、「朝食をちゃんと食べよう」みたいな記事があり、そこに「世界の朝食」と題して、いくつかの国で、朝は何を食べるかの紹介が載っていた。のだけれど、「フランスはクロワッサンにカフェオレ」って、確かにそれはよく見聞きするけど、実際、フランス人は、カフェオレはともかく、朝食にクロワッサンって、そんなに食べないんじゃなかろうか。
フランス人の朝ごはんをいちいち覗きに行ったことはないけれど、戸塚真弓さんのエッセイでも「祝日など、ちょっと特別な日の贅沢な朝ごはんがクロワッサン」みたいなこと書いてあったし、みんながみんな朝食がクロワッサンなら、パン屋でも、クロワッサンを買う人にもっと大勢出会ったはずだ。そういや、うちの夫はアルカッションのホテルで食べたクロワッサンが美味しかったと未だに言ってますが(よほど印象的だったらしい)記憶違いかもしれないが、クロワッサンを選ぶと追加料金が少し必要だったような…。

もう一つ、これはそれほど人口に膾炙していないのかもしれないが、むかし、「外国では、夕食を食べてからゆったりとオペラやお芝居、映画などを楽しむ」なんて話を聞いたか読んだかした気がする。羨ましい、と思っていたけれど、実際のところ、オペラに関して言えば、佐藤亜紀氏がエッセイで書いていたけれど、「オペラの開始時間とレストランの夕方の営業開始時間はほぼ同じ」が万国共通らしい。確かに、よほど上演時間の長い演目を除けば、パリでのオペラ開始時刻は19時30分。レストランは、早ければ19時に営業を開始するところもあるが、多くは19時30分、フランス人の夕食開始は20時前後が普通だろう。やっぱり、パリでだって、サンドイッチでも流し込んでオペラ座へ駆けつけることになる。

フランスでは、映画料金が日本と比べるとずいぶん安く、知人はせっせと映画に通ってフランス語を磨いたりしていたけれど、日本で映画を見る習慣のなかった私は、あちらへいってもやっぱり年に一回ぐらいしか映画は見なかった。かつては芝居を見に、一生懸命チケットを取って(第三舞台とか、取るの大変でしたから、あの頃は…)東京や大阪へ泊りがけで出向いたものだけれど、演劇に関しては言葉の壁もあり(モリエールとか見に行ってた知り合いもいたな、そういえば)ミュージカル「ノートル・ダム・ド・パリ」を見たぐらい。(そして、あれは、なんか普通でいう「ミュージカル」とは違った気がする。演技と歌が全く分離してるし。)
ということで、私が「日本と違って安いよう、嬉しいよう」と喜んでいたのはもっぱらオペラ。渡仏後すぐの頃は、公演直前にチケットを買おうとして売り切れで見逃す、ということも何度かあったが、その後はシーズン開始前にまとめて全公演の予約をするようになったので、パリ・オペラ座でのオペラ公演は、どの演目も一回は見た、ということになる。

そんなにオペラを見たのは後にも先にもこのときだけで、今はもう、DVDを買ったりすることもないので最近の歌手とかがさっぱり分からないのだけれど、あの頃見た「ヴェッセリーナ・カッサローヴァのアルジェのイタリア女」とか、「マルセロ・アルヴァレスのマントヴァ公爵」とかはもう、私の中の生涯の宝物だ。あ、ナタリー・デッセイの夜の女王、というのもあった。その後、別の劇場での、ナタリー・デッセイ「影のない女」も聴きに行ったんだっけ。
しかし、何も考えずとにかく予約をとりまくっていたので、行ってみたら新作オペラの世界初演だった、ということもあったし、劇場入り口付近に「チケット求む」という紙を持って立っている人がいっぱいいて(他の公演でそんなことはなかった)なんだ?と思ったらプラシド・ドミンゴが出演していた、なんていうこともあったなぁ…。
by mmemiya | 2006-03-22 07:42 | フランス関連