La Lune Lunatique

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ことばを使いこなす

昔から、「ことば」というものへの思い入れが深くて、得意な教科は国語と英語(学校では、ね)で、高校時代の愛読書は「なんで英語やるの」(中津燎子)と「私家版・日本語文法」(井上ひさし)で、あげく、外国語学部なんつー、「そんなところへ行って卒業後、なにやって食ってくんだ」(父は「つぶしがきくから」と、私を法学部へ進ませたがっていた)みたいなところへ進学した私ですが、残念ながら、日本語以外の言葉が堪能になったことはありません。大学で、フランス語は発音から文法まで一通り習ったし、講読じゃパスカルのパンセなんて読まされてたにも関わらず。(で、パンセの次はジュールヴェルヌの月世界旅行でした。どういう選び方なんだろう。)

必要に迫られなかったから、というのは単なる言い訳で、要は努力不足な訳ですけど、ことばの習得に、才能ってどれぐらい関係するんだろうか、あるいは全く関係ないんだろうか、などと、たまに思います。

「なんで英語やるの」の中で、中津さんに英語を教えた日系二世のアメリカ人男性は、確か、語学に才能なんて関係ない、と言っていたような。「アメリカではベビーでもきちがい(多分、今、出版しようと思うとこの用語は使えないでしょうが)でも英語をしゃべる。」って、で、彼の両親である日系一世の英語が不十分なのは、適切な訓練を受けなかったからであって、才能は関係がない、と。

確かに、大抵の場合、ひとは母語については十分使いこなせるようになるわけですから(細かいこというと、作文能力とかは大人の間でも差がありますけど、それは言語能力の問題というより論理的思考力とかそっちの問題になってくるかな)語学は才能とは関係がない、というのも真実ではあるのでしょう。

ですが、同じ言葉を母語とする人の中でも、ことばを使いこなす能力に多少の得手不得手はあるように、あるいは、運動能力やら数学の理解力やらにどうしても差があるのと同様、語学習得も、やはり、得意な人、不得意な人はいるように思います。不得意な人がある程度の語学運用力を身につけようと思うと、得意な人よりもっと努力が要るんじゃないかな、みたいな感じでしょうか。
特に、大人になってから、全く違う音韻体系のことばの音を身につけようと思うと、耳の良さ、みたいなものも影響するかなー、とか。
もっとも、私自身は、大した英語力もフランス語力ももたないために、同胞の英語力やらフランス語力やらをあまり判断は出来ないのですね。私の耳には素晴らしい発音、と聞こえていても、その言葉を母語とする人が聞いたら違和感があるってこともあるかも。ただ、同じように大人になってからフランス社会で暮らし始めた日本人で、フランス語を使ってフランスで働いて生活している人でも、すごくカタカナ発音の人と、そうでない人はいたなー、と思い出します。

まぁ、発音以上にわからないのが、表現がその場にふさわしいものになってるかどうか、ということで、結局、「外国語を上手に使いこなせている人」と言って思い浮かぶのは、私の場合、日本語を上手に話す外国人ばかりってことになります。

私がフランスへ行く前にしばらく通ったベルリッツで、フランス語を教えてくれた人はカナダ人でした。ベルリッツは基本的に、一人の生徒がたくさんの講師から習う、という方針を持っているらしいんですが(いろんな人の発音やら言葉遣いの癖やらに慣れさせるためとか)、当時、そこでフランス語を教えている人は一人しかいなかったので、フランス語は一年ずーっと同じ先生でした。育った家庭内では使用言語はフランス語だったけど、テレビは英語の方が面白かったから、英語のテレビばっかり見てて、英語も話せるようになった、とかいう先生で(まぁもともと、英語も十分入ってくる環境なんでしょうかね、カナダだと。幼稚園も英語の幼稚園に行った、とも言ってたような。)、同じベルリッツで、英語のクラスも担当してたので、英仏バイリンガルの先生だったんでしょうね。たまに、英語のクラスから引き続いて私のレッスンに来て、うっかり「Exactly! あ、ちがった、 Exactement!」とか言ってるときがありましたっけ。
ベルリッツ、授業中、日本語は使用禁止なんですが、実はこの先生、日本語も達者で、ま、だから「あ、ちがった」とか言ってたわけですが、授業中、たまに、「そうそう、そんな感じ」とか、日本語が混ざってました。(ま、私のフランス語が初級レベルだったせいもある。)日本語のアクセントには癖がなく、綺麗な発音で、それもやっぱり、テレビで覚えた、と言ってましたっけ。高度な敬語の使いこなしとかになるとどうだったかは知りませんが、日常生活の日本語にはまったく不自由してなさそうでした。雑談で聞いたけど、電話で「鈴木と申しますけど○○さんいらっしゃいますか?」ってやったら外国人とはばれなかったそうです。だから、トリリンガル、って言えるんですかね。日本語は成人してから身につけたはずなので、「大人になってから始めたから外国語できない」なんて言い訳は通用しないよなー、と、この先生を見てると思ったものです。読み書きがどの程度できるかは聞いたことないけど。

フランスで知り合った、当時、パリの商工会議所で日本関係の担当をしていた男性も、発音含めて、相当、日本語がお上手でした。高校時代とかはドイツ語やってた、とおっしゃってたので、日本語習ったのはそれより後ですよね。初めて一緒にお昼を食べたとき、ずーっと日本語で会話してて、私が、ここはフランスなのに申し訳ない、みたいなことを言ったら、「じゃあ、デザートがきたらフランス語にしましょう」って言われたんですよ。
そんで、デザートがきてフランス語に切り替えたら、彼が「なんだ、意外にフランス語話せるじゃないですか。もっと全然駄目かと思った」と言った(これは日本語での発言)のは強烈に覚えてます。この人についても、日本語での読み書きの方がどうなのかは聞いたことないんですが・・・。(たまに貰うメールやファックスは全部フランス語だったので。そういう連絡文書は本人じゃなくって秘書が打ってたと思う。)

この間、ちょっと探し物をしていたら、Ustreamで、ちょっと面白いものを見つけてしまいました。
私が海外旅行をよくしていた頃って、今ほどインターネットとか普及してなかったので、政府観光局ってのは、旅行前の資料集めに色々お世話になりました。帝国ホテルの中にあったのって、北欧のどこの政府観光局だっけ?
どうでもいいけど、日本って、よその国に「政府観光局」っつーのを置いてないのは、やっぱ、観光に力を入れてないってこと?ま、JNTOがそういう役割をしてるってこと?と思って、今、検索したら、なんと、JNTOの通称が「日本政府観光局」になっていた。2008年からですと。ちっとも知らなかったわ。

で、このUstreamの番組が何か、というと、日本にある、よその国の政府観光局の人が、色々と自国のPRをしてらっしゃるんですが、第一回から第三回までの皆さん、とても流暢な日本語をあやつっておられます。異国で仕事をする、というのは、そりゃまぁ、こういうレベルを要求されるんだろうな、と思いつつ、この人たちが日本語を習ったのは何歳からかしら、どうやって勉強したのかしら、とか、色々と興味は尽きることがありません。
(ちょっとネット検索すると、第一回のベルギーの方は日本在住20年以上とか。あと、第三回のクロアチアの方は、お母様が日本の方で、小学校1,2年の頃は日本にいて・・・とか、番組冒頭で話してらっしゃいます。第二回のハンガリーの方も、お母様は日本の方ですね。15分20秒前後で、「発明ではなくて開発って言った方が正しい日本語だと思いますけど」と、進行役の日本人男性の発言に突っ込んでいる・・・。)

とはいっても、こういうのを見て、私もがんばらなきゃ!とか発奮するわけでは全然ないのが情けないですが(笑)。

ワッシーの観光局の中の『人』
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by mmemiya | 2012-07-12 21:51 | 日々雑感 | Trackback | Comments(0)
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