La Lune Lunatique

mmemiya.exblog.jp
ブログトップ

ことばの発達の謎を解く 今井むつみ

娘の学校の宿題で、生まれてから今までを振り返るための写真が何枚か必要になった。
データがあるだけでプリントしていない写真というのがけっこうあって、その中から娘が選んだものを、急いでプリントに持っていった。10分ほどかかる、と言われたので、同じショッピングセンターの中の書店に行ってみると、今井むつみさんの本が目に入った。
あー、やっぱりこれだから、たまには本当に本屋に行かないとねぇ。ちくまプリマー新書の一冊で、1月に出たものらしい。

今井さんの本で読んだことがあるのは、岩波新書の「ことばと思考」だけですが、そちらも読み応えがありました。そしてこの本は(って、まだ読みかけなんだけど)ちくまプリマー(中高生向け)だけあって、より平易に、読みやすく書いてある。(中学生にはちょっと難しいかも・・・。)だからといって、内容は手抜きじゃなく、最新の知見が盛り込んである。
内容が、赤ちゃんがどうやって言語を習得していくのか、に絞り込んであるのですっきりと読みやすく、そして飽きさせない。飽きないということは、つまり、子どもがことばを習得していく過程が、いかに複雑精緻なものであるかの証左でもある。「はじめに」を読んだだけで、わくわくしてしまう。
<多くの人は、「単語の一つ一つの意味は、他の単語と独立に(つまり無関係に)覚えられる」と思っています。例えば、いくつかの自動車の例と「クルマ」という音が結びつけば、自動的に「車」ということばの意味が理解できる。あるいは赤い花や赤いシャツ、赤鉛筆を「アカ」という音と結びつけることを覚えれば、「赤」という単語の意味を覚えたことになると思っている人は多いのではないでしょうか?本書を読むと、この考え方も誤解だということがわかっていただけると思います。>ええっ?違うの? と、これはもう、読まずにはいられますまい。

欲を言えば、冒頭の、音素をカテゴリー化していくあたりなど読んでいると、バイリンガル環境の赤ちゃんの場合はどうなんだろう?などと思うのですが、それを著者(認知心理学者)に要求するのはさすがに無理ですわね。
ああ、こういう本を読んでいると、自分の子どもがもっと小さかった頃のことばをきちんと記録していなかったことが悔やまれます。ま、真っ最中にはそんな余裕は実際にはなかなかないんだけどさ。

そういえば、今度の小学校授業参観、娘のクラスは英語活動で、親も一緒に買い物ごっこ、らしい。息子のクラスは将来の夢の発表らしいんだけど。英語活動かぁ・・・授業参観でそんなことやらなきゃならん先生方もご苦労様なことです。今日、ひょんなことからうちの県の教員採用案内見てたら、今、小学校教諭の実技試験には英語もある!全然知りませんでした。いつからだろう。でも、多くの小学校の先生方は、教員になったとき、まさか自分が英語の授業をやらないといけなくなるなんて、想像していなかったんじゃ・・・。娘の担任なんか、子どもたちに、「○○くんの方が発音がいい」(○○くんは、多分英語を習いに行っているお子さんと思われる)とか言われているらしい。気の毒に・・・。で、教えてる内容がちゃんとサポートされてるか、といえば、かつて息子の授業参観で間違った文法の英語が教えられているのを見て以来、内容面のサポートについても、私は深く先生方に同情しています。そしてそんな環境で英語とやらをやらされる子どもたちもだな。「めいあいへるぷゆー?」だの「はうまっち?」(娘がこの通りのカタカナ発音で授業内容を説明してくれました・・・)だのやるより、なんぼかいい異文化学習のやり方ってありそうなもんなのに。
[PR]
by mmemiya | 2013-02-06 22:08 | 読んだ本 | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://mmemiya.exblog.jp/tb/18565253
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by poirier_AAA at 2013-02-07 18:45
うわぁ、面白そうな本ですね。わたしも読んでみます。

大学時代、夫婦揃って認知発達心理学をやっているカップルのところに子どもが生まれて、その子の最初の言葉が何なのか、次にどういう言葉が出てくるか、2人が夢中になっていたのを思い出しました。そんな家族が一定期間海外に住むことがあったら、さぞかし面白い研究が出来たことでしょう。わたしも、もうちょっと細かい記録をつけておけば良かったと、今になって思います。

↓の幸田文の本も読んでみたいです。
日本から山のように料理本を持って来たものの、実際に使ったり眺めたりしているものって数えるほどしかなくて、そろそろ本気で整理しようと思い始めたところです。やっぱりファンシーな作りの本ってダメですね。ストイックな料理本やエッセーが、結局一番最後まで残りそうです。
Commented by mmemiya at 2013-02-08 06:37
梨の木さん、面白そうと言ってくださる人がいて嬉しいです。私も、子どもの発語は断片的な記録しかなく、この本を読みながら、あ、うちもそうだった!とか、そうだっけ?ああ、これを知ってたらもっとよく見ておいたのに!などと思っています。梨の木さんのお子さんたちのご様子も、きっと興味深いものだったでしょうね。

幸田文さんの本は、幸田さんのエッセイや対談、小説から、台所に関わるようなものを娘さんが編集されたもので、あまり直接的に料理の話は出てこないのですが、おっしゃるとおり、何が何gで何分中火で煮て、というだけのレシピ本より、もっとザクッとしていながら、それでいて料理の本質を捉えるような本の方が、結局は残りますね。(いえ、レシピ本も、本当に山のように持ってますけど、私・・・。)佐藤真さんの「パリっ子の食卓」や檀一雄さんの「檀流クッキング」など。つい最近になって、玉村豊男さんの「料理の四面体」を今更読み始めましたが、これも面白いですね。