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「子どもの話にどんな返事をしてますか?」ハイム・G・ギノット 草思社

スクーリング往復の電車内で、やっと読了。
注意欠陥障害の診断基準なんか見てると、「あ、私、こういう傾向あるよな~」という項目がいくつかある私のこと、仕事も複数同時進行、あれこれやりかけ状態だし、読書も常に複数の本を平行して読んでおりまして、今日なんか、かばんに、教科書以外の本が3冊。全部読みかけ。えーかげんにせー、自分、って感じですが。
(注意:こうした障害を自己診断するというのは決してやってはいけないことです。私もただ、「あ、これ、分かる分かる~」とか言ってるだけですので念のため。)

で、この本。すごくいいです。何度も繰り返して読む価値があると思う。
もうね、文化的な違いは多少あるにせよ(最後の方の性に関する問題のあたり、日本の親子は多分こんなにフランクに話し合えないと思う)、ついつい、「ほら、危ないわよ、ああ落っこちた、だから言ったでしょう!」とか言ってしまう親の私としては、ものすごく目からウロコです。

そんでもって、今日、社会福祉士スクーリングで「社会福祉援助技術」の講義を聴いてきましたらば、この本に書いてあったことと、全くおんなじこと言われました。言葉の二面性を理解する、相手に対して共感する、という話。
施設に入所しているお年寄りが「最近、ちっとも子どもが面会に来ない」とこぼしたとする。でも、実際には1週間前に面会に来たばかり。そこで、「そんなことないですよ、一週間前に来たでしょう?」とか、あるいは「面会に来るようにこちらから連絡しておきますね」という応答をしちゃいけない、というのです。
人の言葉を字義通り受け取るのではなく、その背後に隠れている感情は何かと考える。この間の面会が、そのお年寄りにとっては不満の残る内容だったのかもしれない。もっと子どもは頻繁に来るべきだ、と思っているのかもしれない。感情に思いを馳せて、例えば「寂しいですね」と応えることで、相手との関係が変わってくる、と。

援助関係にある人間は、友人とは違いますし、価値観も違う人間です。援助者だって人間ですから、相手が例えば怒っていることについて、「こんなことで怒るなんて、理解できない」と思っちゃうかもしれない。だけど、共感しないといけない。同情じゃなく。
「そこであなたが怒る理由は理解できない。だけど、あなたが怒っているということは理解できる」、私のまとめなんで、ちょっと間違ってるかもしれないけど、これが共感なんだと思います。怒る、という感情には誰にでもある。だから、怒っているということ自体には共感が出来る。価値観が違っていても。
あらー、おんなじことが書いてあるわー、と驚いてしまいました。

まして相手は子どもです。私なんか、相手にしているのは幼児です。言語表現も未熟です。だから尚更、言葉をそのまま受け止めるのではなく、そこにある感情を受け止め、そしてそれを、親が言語化してやらないといけない。なにしろ、子ども自身はまだ、自分の感情を上手に言語化できてないんですから。言葉にしてみると、人間、意外と落ち着いたりするものです。

つくづく、親ってのも訓練がいりますねぇ。ところで、じゃあ、急に今の親が情けなくなったのか、育児能力が低くなったのか、と言われれば、私は違うと思います。
自分の親の子育てを振り返ってみれば、やっぱ、失礼だけど未熟だったと思いませんか?私なんか、父親に感情的に叱られてばかりでしたよ。(母はあんまり感情的じゃなかったんですが…)
逆に、そうでなきゃ、あんなに「アダルトチルドレン」なんて本が流行ったりしませんって。みんなあれ読んで、「そうだわ、私は親のせいで息苦しい思いをしてきたんだわ!」と大なり小なり思ったわけでしょ?(実は私もご多分に漏れずその一人だったりしたのですが。お恥ずかしい。)
そんな状況でも、大多数の人は、どうにか育ってきたわけで、だから、逆に、少々失敗したって、それで全く取り返しがつかないわ!って訳じゃないと思えます、子育てって。
昔はただ、親にはまだ権威があったんですねー。だから、少々のことでは動じなかった。子どもへの接し方が、今の心理学とかの知識を持って見るとあまり適切でない面があったとしても、まだ親がそんなに不安にならずにいられた時代だったのではないかと思います。もちろん、戦後の価値観の揺らぎとかで、みんな、育児書とかを求めていたんだとは思いますが。スポック博士…とか。
それが証拠に、というか、この本、実は、初版はなんと、1965年に出ています。私の生まれる前。で、アメリカで大反響を巻き起こした、と。日本では1973年に「親と子の心理学-躾を考えなおす12章」というタイトルで出版。この本、親と子のやりとりの実例がいっぱい出てきて、それのどこが悪いか、どう変えたらいいか、が非常に具体的に書いてあるんですが、その「親」って、実は我々の親世代だったんですね。

いずれにせよ、いくら実例が豊富でも、実際の自分の子どもとの会話は、言ってみれば全て応用問題。一朝一夕でこの本にあるような対応ができるわけじゃないけれど、少しずつ、頑張ろう。
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by mmemiya | 2006-09-23 22:37 | 子育て、子育ち | Trackback | Comments(0)
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