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La Lune Lunatique

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「外国語を身につけるための日本語レッスン」三森ゆりか

「読んだ本」ではなく、正確には「まだ読みかけの本」なのだけれど。

かねてから、三森ゆりかさんという人が、論理的に日本語をあやつるための技法について、何冊か本を出しておられるのは知っていた。子どもへのトレーニングについて書かれた本もあるようなので、そのうち買おうかな、と思っていたりもしたのだが。

先日、夫と話をしていて、いったい何がきっかけだったのか、もう忘れてしまったのだが、「中間日本語」という考え方があるんだよ、と夫に話したら、たいそう夫が興味を示した。
それで、ちょっとこの「中間日本語」をキーワードに検索したら、この「外国語を身につけるための日本語レッスン」を勧めている文章に出会ったので、購入してみたのだ。

「中間日本語」というのは、例えば主語の省略をなるべく避け、論旨が明確なものとして整理された日本語のことである。翻訳しやすい、というか、あるいは英語の直訳調の日本語、とでもいうか。
私がこの言葉に出会ったのは、高校生の頃、中津りょう子さんの「続・なんで英語やるの」という本の中で、だったのだが、今回「中間日本語」という言葉を検索してみると、けっこうあちこちで使われている言葉のようだ。
で、標記の本が届き、読んでみたら、中にはちゃんと「中間日本語というのは、中津さんの本で出てきた言葉」という説明がなされていた。

まだ読んでいる途中なのに大胆に概要を言ってしまうと、日本の教育では、日本語を論理的にしゃべったり書いたりする教育がなされておらず、また、世間でも、論理的にしゃべることはむしろ避けられるような傾向にある。そういう中で育った日本人が、主語と述語を明確にし、更に、動詞が主語のすぐ後に来る(つまり、結論をすぐに述べなければならない)英語を、上手にしゃべれないというのは、ある意味当たり前のことだ、というのが、著者の現状認識である。
そのため、外国語を身につけるにあたっては、まず、日本語で、論旨を整理し、明確に意図を伝える訓練をするべきである、ということで、具体的にどのような点を意識して、どのように訓練すればいいのか、を述べているのがこの本だ、と思う。

中津さんの本は、前にも書いたけれど中学・高校時代の私のバイブルで、こうした「日本語訓練の必要性」についても、私なりにこれまでも意識してきたつもりなのだけれど、実際の方法論として何をすべきか、何に留意すべきか、ということまでは、あまり見出せていなかったので、買ってよかったなぁ、と思う本だ。

日本語の、曖昧模糊としたところから生まれる良さ、日本語でしか綴りえないような文章というのがあるのももちろん事実なのだけれど、「論理」でやってくる人々と、いつ何時、関係しなければならなくなるか分からないのが現代なのだから、この本に書かれているようなことを知っておいて、決して損はないと思う。
これまた中津さんがどこかで書いていたことなのだけれど、「タテ」の文化の日本人でありつつ、真ん中にちょっと釘を刺しておいて、で、そこでくるっと90度回転して、「ヨコ」になることもできる人間になれたら、何かと便利なのかもしれない。(中津さんの表現が果たして「釘を刺しておいて」だったかはちょっと忘れたのだけれど、とにかく、「タテにもヨコにも回転できる」ということは書いてあったはず。)

子育てにも応用できそう、というか、ぜひとも応用したいのだけれど、そのためにはまず、この本を何度か読み込まなきゃいけないかな。

覚書:干柿は順調に柔らかくなってきていて、昨日、初めてちょっと揉んでみました。
白菜を次々ともらうので、今日は、今年初めてのキムチを漬けました。キムチも結婚以来毎年作っているもので、最初のうちはネットで作り方を調べたりしていましたが、一昨年からはジョン・キョンファさんの本に従って作ってます。(ただ、本では唐辛子を3種類使ってらっしゃいますが、私は1種類しか使ってません…。一応、朝鮮産の唐辛子を使ってますが。)
by mmemiya | 2006-11-29 23:28 | 読んだ本