確率の話と同じような話だけれど、平均寿命、って奴も、おんなじことですわねぇ。
日本人の平均寿命が80何歳とか言われると、ついつい、大体80歳前後までは生きられそうな気がするものだけれど、実際のところはなんとも分からない。
かといって、明日にも死ぬかもしれない、というのは事実ではあるけれど、ある程度、長期的に物事を考えないと、生活していけない、という側面もありますしね。
だからとりあえず、平均寿命を参考に、マイホームのローンを組んだり、子どもを生み育てたり、老後の資金を考えたりする。
明日をも知れぬ命なのだから、一日一日を大切に、というのも、もちろん真実なのだけれど、そういうことを忘れ、錯覚していられる状況にあれば、日々はついつい雑事に追われ、バタバタしておしまい。くだらないことでイライラして子どもを叱ったり、つまらないことで誰かと喧嘩したり。
でも、毎日毎日、全力投球のような日々を送る、なんてこと、なかなか実際には簡単ではない。
せいぜい、時折、そんなことを思い出して反省するぐらいしか出来ない毎日。
それは即ち、それだけ今に恵まれているということなのだろうけれど、恵まれている、ということは、失ってみないと、実際にはなかなか実感できない。
「平均」は、ただの数字であって、一人ひとりになにかを保障してくれているわけでは、まったくないのだけれど。