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La Lune Lunatique

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先にたたずとはよく言ったもの

早いもので、祖母の四十九日を迎えました。

11月の末に、自宅で転んで大腿骨を骨折して入院。入院先でも転院先でも、もともとの疾患のせいで手術は困難とされ、転院先の大きな病院で「では内科にうつれないか」と聞いたら、「うちの内科に入院しなければならないほど、内科的な状態が悪いわけではない」と言われたとのこと。

それで最初の入院先に戻されて、実はみな、退院後のことであたふたしていたのです。

そこらじゅうに転がっているありふれた話ですが、治療は終了したといわれても、自宅でひとりで生活できる状態ではない。祖父が亡くなってから、祖母は一人暮らしでした。トイレに手すりがついているぐらいで、もちろん、車椅子で生活したり出来る家などでは全くありませんでした。

正月をどこで過ごさせたらいいのか(子どもの誰かの家に引き取られるのは本人が拒んでいました)とみなが頭を悩ませていた12月、やっと老健が仮予約できた、などと言っていたその時、まさか、元旦に逝ってしまうとは、誰も思っていなかったのです。
そういう意味では、年齢はともかくも、残された私たちにとっては、突然に近い祖母の死でした。

車で30分という距離にいながら、あまり顔を見せていなかったことなど、後になると、本当に悔やまれることばかり。入院も、こんなことになるとは思っていなくて、祖母の方も「小さい子どもなんか連れてきちゃ駄目だ」と言っていたので、私が祖母に会ったのは、10月の終わり、前撮りした七五三の写真を持っていったときが最後でした。

春に、医師から勧められた透析を本人が拒否してから、先がそんなに長くないことは分かっていたことではありました。それでも、亡くなる2日前には、まだ、見舞い客と普通に会話していたという、あっけないような死でした。

先の短さが予感されていてもなお、悔やむことはあれこれと残ります。本当は、誰との別れも、いつ来るか、誰にも分からないというのに。

日々をもっといとおしまなければ、と思いつつ、「早くしなさい!」と子どもを怒鳴ったりする毎日が、また、いつものように始まります。その「いつも」が、ひとつの幻に過ぎないことを、時折、ふと思い出しながらも。
by mmemiya | 2007-02-18 21:22 | 日々雑感