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La Lune Lunatique

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永住目的ではない人を移民と呼ぶか

遅ればせながら、バレンタインデーということで、ブラウニーを焼いた。
フードプロセッサーで生地を全て作ってしまうタイプ。子どもが争ってフープロのスイッチを押したがって大変。レシピよりだいぶ甘さ控えめで作ってしまったけれど、子どもは喜んで食べていたし、まぁ良いとしよう。

昨日、お雛様を出したと書いたが、相変わらずお雛様好きの息子がはりきって手伝ってくれた。まず、お雛様の箱を前にすると「手袋しなきゃ!」と手袋をはめ、いそいそと働いていた。
その息子、昨夜、風呂から出てきて「…どうして僕のお雛様はないの?」と聞くので、「あんたには兜もこいのぼりもあるじゃない」とか、「二人のお雛様ってことでいいじゃない」と宥めようとしたのだが、ついには泣き出してしまった。
実家に、土鈴の小さな親王飾りが居間のサイドボードの中にずっとあるので、息子も知っているのだが、実はそれは、私が中学生だったか高校生だったかの時、友達に貰った誕生日プレゼントなのだった。で、それを話すと「じゃあ、今度おばあちゃんちから貰ってきて」と言われ、それを息子にやる約束をした。
一体どうしてこの子は、こんなにお雛様が好きなのだろう。いつもなら、夜のトイレも怖がるくせに、真っ暗な廊下を通って、夜、お雛様をもう一度見に行ったりしていたし。

ところで、先日、髪を切った。どうも、どういう髪型にして欲しい、とかいうのが自分でもよく分からず、美容院という場所は苦手だ。そして今回は、2,3センチ切ってくれといったにも関わらず、かなり短くされてしまい、中学生かよ、みたいな頭になってちょっと憂鬱。大体、短いと、きちんと乾かさずに子どもと寝ちゃったときとか、翌朝、はねて大変なんだよ~。今度から「手入れの楽な頭にしてくれ」とちゃんと言わないとな~。
で、ああいう場所で話しかけられるのも好きではないので、女性週刊誌など読んでいたりするのだが、中の一冊で、辻仁成と中山美穂が夫婦対談なるものをしていた。
私は、辻氏の本って一冊も読んだことがないのだが、そういや、昔、ラジオか何かでエコーズの歌は聞いたことあるな。
まぁ、辻氏がどんな人間であるかとか、別に興味はないのだが、その対談の中で、パリでの滞在許可証更新手続きの話が出ていて、シテ島(パリの警察署があるところだ)の行列にずらりと並んだことを述べ「私たちって移民みたい」とかいう台詞が紹介されていた。それを読んで、ちょっとした違和感を覚えた。
え?あんたたち、移民じゃないの?移民じゃなかったらなんなの?ということである。大体、滞在許可を取ってるってことは、<移民局>で健康診断受けてるでしょ?

大辞林(ネット辞書だが)によると、移民とは「労働に従事する目的で外国に移り住むこと。また、その人。」だそうである。そうか、辻・中山夫妻は労働に従事してないから移民じゃないのか。もっとも、それより、「移民」というのは、なんだか、生まれた国以外の国に、永住目的で移り住む人のような語感がある気もする。とすれば、とりあえずしばらく外国に住んでみるか(骨をうずめるつもりまではない)という人は、自分で自分のことを「移民」とは思っていないのかもしれない。私にしたところで、滞在許可の行列に並び、移民局で健康診断を受けても、自分を「移民」とは思ってなかったもんなぁ。2年で帰るし、みたいな。でも、辻・中山両氏を移民、と感じるのであれば、自分自身のことだって、移民だったと思わなきゃ矛盾しているな。

あの人たちがそもそもどういう滞在資格を持っているのか、という話もあるんだが、どうかなー、私はVisiteur(住む所がはっきりしていて、医療保険に加入していて、一定以上の財産があったり送金があったりすることが証明できる人が取れる滞在許可。フランス国内で勤め人として給料を貰うことは禁止されている。自営は可。)かと思っていたんだけど。Profession liberale(自由業)での滞在許可とかは、何年か在仏の実績(納税の実績とかも)がないと、確か、いきなり取れるもんではなかったような気がするしな。よく知らないけど。

最近、身近でも色々な外国の人が増えた。非合法の滞在者も、もちろん増えていると思う。大人の非合法はともかくも、その子どもたちとか、学校へも行かず、親の国の言葉もそれほど出来ず…みたいな事例を聞くにつけ、一体、親は、そういう子どもの将来をどう考えているのだろう、と思う。 思春期ぐらいになって、自分の内面をろくろく言葉で表現も出来ないとなれば荒れるほかないだろうし、日本で仕事に就ける可能性も低いし(安定しない職なら見つかりはするのかもしれないが)かといって、ある程度大きくなってしまってからは、親の国へ親と戻って、そこで安らげるともあまり思えない。
生まれた国にい続けなければならないとは思わないし、異国でしかやれないことがあるとか、母国では仕事がないとか、もちろん、皆、色々な事情を背負っているのだろう。
ただ、数年で帰るのではなく、しばらく日本に居続け、子どもも日本で育てていくつもりなら、教育問題を避けて通ることはできない筈なのだが…。(ちなみに、文部科学省は、不法滞在者の子どもであっても就学を認める立場を取っているが、実際の運用は各市町村によって多分、異なるんだろうと思う。)
by mmemiya | 2008-02-17 20:05 | 日々雑感