まだ一度も会ったことのないあなたへ。
誕生日おめでとう。
初めてあなたのことを聞いてから、もう一年近く経ったのですね。
あの時は、本当のことを言えば、あなたに誕生日おめでとうなどと言える日が来るとは思っていませんでした。
9割以上の子が、1歳まで生きられない、と、あなたの誕生を知るのと同時に知らされたから。
「様々なハンディキャップを背負っていても、いやだからなお、その子どもたちは無垢だから」とか、「生きていることの意味を教えてくれたから」とか、そんな理由で、人は生きているわけでも、誰かに生きることを許されるわけでもない。
生まれ落ちたその瞬間から、ひとつのいのちが、出来るだけ長く生きていこうとすることに、何か理由など、必要な筈がない。
そんな当たり前のことを、恥ずかしながら、今、改めて反芻しています。
そして一つ一つの生命が、生き続けようとするときに、誰かのなんらかの手助けが必要ならば、どうか、誰もがその助けが得られますように。
多分、実際に会うことは、これからもないかもしれないあなたと、あなたのご家族に。
1歳のお誕生日、おめでとう。
これからも、あなたの毎日が、一つでも多くの喜びに出会えるものでありますように。