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La Lune Lunatique

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目をつぶればどこも同じ、とはいえ

生まれて初めて、旅館ではなく「ホテル」に泊まったのは、大学受験の時だと思う。
いわゆる「受験生の宿」手配にやや出遅れて、高~いホテルしか残っていないといわれ、ヒルトンの、それもダブルルームに泊まった。

受験生パックで夕食も朝食もお弁当(ってかサンドイッチ)もついていたのだが、夕食がブッフェ形式で、しかも洋食だったもので、朝や昼ごはんなら主食が麺類とかパンってことがあっても、夕食の主食はコメの飯だと思っていた私は、カルチャーショックを受けた(笑)。なんか、満腹感がないよなぁ、と思いつつ、せめて、と、リゾットなんかを多めに食べてた気がする。
ずっと布団で寝起きしていたのでベッドなんてものに慣れてない上に、ダブルでやたら馬鹿でかく、一体、このベッドのどのあたりに寝りゃいいんだと落ち着かなかったこと、客室においてあった聖書に「なんでこんなものが置いてあるんだろう」と思ったこと、館内案内を眺めて「チャペル」とあったので、外人さんが泊まるホテルにはそーいうものが必要なんだー、と感心したこと(笑。だってホテルで結婚式するなんて知らなかったんだもん)、英語放送があるのでちょっと聞いてみたら、翌日のヒアリング試験に対する自信を失いそうになって急いで止めたこと、など、今考えても、けっこうよく覚えているよなぁ。それだけ印象的な体験だった、ってことだぁね。

大学に入ってから、仲の良かった友人グループの中に、旅行好きのメンバーがけっこういて、国内だけだけど、ちょこちょこ旅行をした。主に手配をしてくれていた子は、その後、旅行会社に就職したぐらいで、色んなことに詳しかったし、インターネットもないあの時代によく情報集めてたよなぁと今になると思うが、彼の手配もあって、学生の身分で、けっこういいホテルに泊まったりしていた。ディズニーランドへ行った時はベイホテル東急だった。北海道で、アルファリゾートトマム(ツインタワーしかなかった頃)なんかにも泊まったなぁ。中華がすごく美味しかった記憶がある。
旅行の計画を立てるとき「どのホテルに泊まるかを考える」のも楽しみの一つ、になったってのはこの頃の体験が元になっているのかも。

社会人になって、人生最初の海外旅行も、その彼(もう旅行会社の社員になっていたわけだ)が手配してくれたのだが、人任せにしすぎていたせいか、この時の旅行はあんまり細かい部分は覚えていなかったりする。次のシンガポール旅行が、その後しばらく海外旅行にはまるきっかけを作ったのだが、背伸びして生意気にもグッドウッドパーク(さすがにラッフルズではなく…)に泊まったのだった。あれでなんか味をしめた、みたいなところもあるな、私。
まぁ、ヨーロッパ方面では、航空券代が高いのでホテル代にそんなにお金使ってられないし、超高級どころってのはなんつーか階級意識がありそうで東洋人の小娘が足を踏み入れるには二の足を踏むし、ってんで、小さなホテルにしか泊まってないけど。ロンドンなんて馬鹿でかくてなんかざわついてて落ち着かないホテルの宿泊費がまた馬鹿高かったりするので、ほとんどヴィクトリア駅近辺のB&B(空き部屋があるからって年配の夫婦が始めた、みたいなんじゃなくって移民が経営してる名前だけB&B、要は小さい安ホテル、みたいな奴ね)にしか泊まってないし。
あー、ハンガリーでゲレルトに泊まったな、そういえば。あれは温泉目当てだったけど。あと、ブリュッセルで仕事がらみで泊まったラディッソンSASはけっこうゴージャスだったか。

まぁ、ホテル選びに熱が入ったのは、主に国内旅行で、ではあった。「旅行」といっても観光ではなくお芝居を見に行くとかそういうものが多かったので、神戸やら大阪やらに出向いた回数だけが多い。東京ってあまり泊まった事がないや。名の知れたところと言ったらフォーシーズンズホテル椿山荘ぐらいか。

ともあれ、その頃は、ホテルに着くと、まず室内を撮影しまくる、というのがお約束のパターンになっていた。ひところ、「月刊 The HOTEL」なんて雑誌まで定期購読してたもんな、私。休刊になっちゃったけど。シャワーブースが独立してるホテルに初めて泊まって驚いたり、ターンダウンサービスに緊張(笑)したりしながらも、とにかくできるだけ色んなホテルに泊まってみたかった。別に高級ホテルじゃなくても、ヨーロッパ旅行でも、一生懸命、宿を吟味してましたよ。外れたところもあるけれど、今も忘れがたいB&Bもあるなー。

20代半ば頃の夢といえば、いつかアマングループのどれかのホテルに泊まること、だったりしたけど、その頃の旅の連れといえば女友達だけで、さすがに女二人で行くところじゃなかろう、って感じだったし、結婚してみりゃ夫は「どうせ寝るだけなんだからボロボロじゃなきゃどこだって同じ」って人だし(泣 でもまぁ男性にはそういうタイプは多いのかも)、おまけに割とすぐ子持ちになったしで、多分、一生アマンには縁がない気がするわ…。もちろん、国内の高級ホテルも縁遠いものになってしまい、へえー、いつの間にリッツカールトンが東京に出来たんだー、とか驚いていたりする。大阪のは出来て割とすぐの頃に泊まったんだけどなぁ。内装が、ちょっと暗すぎないか?と思うような重厚さでしたが、東京もあんな感じなのかしらん。内装といえばホテル阪急インターナショナルに正月に泊まった時、ホテル内の装飾とかを案内してくれるミニツアーみたいなのに参加したんだけど、あそこもなにやら高級そうな装飾がいっぱいでしたね。

もちろん、世の中にはもっとたくさんのホテルに何度も泊まっている人がいっぱいいるし(ネットなんか見てるとすごい人はホントすごいよねー)、私なんかの知らないすごいホテルがまだまだいっぱいあるんだろうけど、私が過去、特に印象に残っているのは、福岡のグランドハイアットのお風呂(ホテルのお風呂なのに洗い場みたいなのがあって入浴しやすい)、大阪のウェスティンホテルの朝食場所(光がさんさんと降り注ぐ吹き抜け・ガラス張りで朝から気分がいい)ですね。

まぁ所詮、戻って眠るだけの場所、ではあるのだけれど、でも、ホテルには、何か人をひきつけるものがあるような気がする。それが何か、って言われると困っちゃうんだけどなー。やっぱり、自宅の寝室とは全然違う、っていう「非日常感」ですかね?あと、結局のところ、置いてあるものの基本はベッドと椅子と…みたいな感じで共通なわけで、その中で如何に工夫を凝らすか、ってあれこれ考えているところに惹かれるんでしょうかね。

ま、いずれも、今の私にはちょっと遠い話であることは確かだけれど…(笑)。小娘が背伸びして何やってたんだか、とも思うけど、一方で、大抵のところで臆することがなくなった、って意味では、あれも貴重な経験ではあったのかもね。
by mmemiya | 2008-05-23 00:33 | Voyage