La Lune Lunatique

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自分のしてきたお稽古事を振り返る

ピアノに関してネットをさまよっていたら、けっこう、「習字」と対比している例があった。
どういう場面で対比しているか、というと、ピアノっていうのは毎日家で練習しないと意味がない、習字とは違う…みたいな対比なんですわ。

いやさ、習字だって、本当に上手くなろうと思ったら、家で練習した方がいいのは当然だと思いますよ。やってる人あんまりいないと思うけど。
ワタシが習ってたところでは、中学生からは、基本的に家で書いてきて、何枚か、比較的良くかけたと思うものを師匠の家へ持って行ってみていただく、という形になってました。
高校へ上がった時、同い年でその書道塾を続けているのは4人(男の子2人、女の子2人)でした。私ともう一人の女の子は、高校は違ったけど、電車通学で、ときどき電車や駅で顔を合わせましたが、会うたびに「書いた?」「書いてない!」が挨拶代わりでしたっけ(苦笑)。彼女は高校が美術科だったから、絵の方の課題もあったし、大変だったと思う。
私は高校3年生に上がる時に、「受験があるのでちょっとお休みをいただきたい」と休止して、で、家から通えない大学に入ったので、結局、それっきり。他の子はどうだったかな…大体みんな、同じような時期に止めちゃった気がする。

ま、小学生の頃、家では書いてなかったのは確かだな。ただ、席上揮毫大会ってのがありましてね、それが近くなると、小学校が終わってすぐに書道塾へ直行して、23時ぐらいまで書いてた。夕食は、母が弁当を持ってきたのだと思う。席上揮毫も色々やり方があると思いますが、そこのは、当日書くべき課題(文章というか文字というか)は、あらかじめ示されていて、当日、会場で、紙を2枚渡され、その2枚に課題を書いて、どちらか、出来がいいと思う方を提出して、で、上手くかけた人が表彰される、ってものでした。

思うに、例えばピアノを習っている人の中からは、一握りとはいえ、音大に進んだり、プロの音楽家を目指したり、って人が出てくるので、そのような道に進むと決めた人は、人よりなおいっそう練習もし、よりいっそうの取り組みをするんだろうと思うんですよね。
対して、書道で、プロの書家を目指すってのは…もっとレアな道です。うちの妹は、大学で書道専攻ですが、そんな専攻、たくさんはないし、それに大体、それは、高校の書道教師を養成するところであって、芸術家的意味での書家を養成するところじゃない気がする。そもそも書家ってどうやったらなれるんだ、ってもんですしね。
子どもがピアノを習い始めた時、ちらっと「この子にすごい才能があって、将来はピアニストになっちゃったり?」みたいな可能性を考える人はいると思うけど、習字を習わせ始めて「将来は書家?」って考える親って、あまりいなかろーな、と。

ですが、私の師匠は、どうも、自分の教えている子どもは全員、プロの書家を目指すべき(なれるかどうかは別として)みたいにお考えだったんじゃないか、と思える節があります。練習には本来親が付いてくるべきで、付いてこない親が多いこの地域はなっとらん、とかね。(私がここで習字を習い始めるちょっと前に、師匠は我が家の近くに引っ越してこられたのですが、以前の住所地での教室も引き続き持っていて、そこの生徒・親と比べると、ものすごく程度が低い、と、色々不満を述べておられた。)
「この硯の石は素晴らしい、もうこんな石は手に入らない」「こんな紙はこれから入手できなくなる」「この筆は…」と、一つ一つの金額は、楽器を買うことに比べりゃ微々たるものでしょうが、うちの親がつぎ込んでくれた費用は、トータルすると本当に馬鹿にならないものがありました。
「お姉ちゃんがやってるから私も習う」と、私の2年後に同じ師匠に就いた私の妹は、現在、書道塾をやってますので、彼女に関しては、まぁ、ある程度、師匠の理想とする?道を歩いたような気がしますが、12年やって私に何が残ったか。
・・・何も残ってない気がしますねぇ。あえて言えば挫折感が残ってるか?(笑)。

自分にそう大した才能がないってことは、やってりゃ自分が一番よく分かってくるものです。大体、私、師匠に褒められた記憶ないし。(妹に言わせると、要領が悪いってのもあるらしい。)前にも書いたけど、高3の春に県展で県知事賞をとったのが、入賞歴としては一番華々しい奴だったかと思いますけど(所属してた書道会の方の展覧会入賞歴は、まぁある意味内輪の話で、外の人には訳わかんないと思う。)で、同じものに出品して私より下の賞だった人は勿論いっぱいいるわけですが、まぁ、大抵の人と比べりゃ、書いてる量が違うはずで(そもそも高校生になっても書道塾を続けている人ってものすごく珍しかったと思う)、逆に言うと「これだけやってもこの程度」とも言えるんですな。書いたものとしては、その前の年の秋の市展で銀賞をもらった楽毅論<光明皇后の方の>の臨書の方が、自分としては気に入ってたけど、ま、大体、会心の出来映えなんて字が書けた記憶もないし。

書道の難点は、「自己流で楽しむ」ってのがちょっと難しい点にあるかと思います。楽器なら、例えばポピュラーソングの楽譜買ってきて好きな曲が弾けるようになる楽しみ、とか、あるかもしれないけど、そもそも、書道の楽しみ方なんて教わってないし、12年間、別に書くことは楽しいことではなかったから、今更、自己流で、あるいは一人で臨書をして、楽しいとはとても感じられないと思うなぁ。それは書道の難点ではなく、私の難点なのか。

大学でも、書道の授業がありまして、それもとってましたが、その先生はけっこう、「楽しもう」と、書を教えておられる方でした。学校の授業以外で筆なんか握ったこともない、という学生がほとんどの授業なんだし、やれオーギシがオーヨージュンが(変換面倒で、すみません。)って臨書なんかやってもしょーがないですしね。この先生も、けっこう大きな書道団体の代表だったり、その界隈では知られた方だったろうと思うのですが(書道は流派が細かいので、自分の属してた団体と同系列の方以外は、ホント私はわかんないのですが)こういう先生もいるんだなー、と、軽くオドロキではありました。

12年が全くの時間の無駄だったとはさすがに思わないし思いたくないんですが、求道者みたいなお稽古事への取り組み姿勢にどうも苦手意識があるのは、この経験がきっと尾を曳いてるんでしょうなー・・・。ちなみに、なぜ高3まで辞めなかったかといえば、師匠が怖くて辞めるなんてとても言い出せなかった、というのが一番近いような。
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by mmemiya | 2008-10-06 23:30 | 日々雑感 | Trackback | Comments(4)
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Commented by okimuff at 2008-10-08 21:19 x
私は小学一年から中学までお寺のお坊さんに習い、大人になってからは通信で細々と、締切日に慌てて出していた程度で、とてもmmemiyaさんには及びませんが、それでも、この書道を学んでいたということ(いえるのかな?)、筆で字を書かねばならぬたび、重宝に思ってます。何の抵抗もなく書けるという事、また、看板など(どういう時?バザーとかね)に大きな字を書かねばならぬ時、下手にマジックインキでなぞりながら書くより、書初め用の大筆にたっぷりの墨汁つけて、自己流の書体で一気に書き上げる時は結構快感です。書道を習っていなかった人にとっては、筆の扱いって難しいらしいですよ。ピアノは月謝が高いという理由で姉一人しか習わせてもらえず、私は母(近所の子に教えていた)に習っていたので、全くものになりませんでした。2人の娘には、楽譜を見て簡単なものなら弾けピアノが楽しめるということを目指しやらせ、やっててよかったと本人たちは言ってます。
Commented by mmemiya at 2008-10-09 23:17
お嬢さん方が「やっててよかった」とおっしゃるのは、なによりですね。うちの子も、いつかそう言えるような何かとめぐり合えたらいいのですが。
そうそう、そういえば、看板書きとか、私もちょくちょくやりましたよ。でも、満足できるような字が書けた試しはないので自己嫌悪だけが残るんですが(笑)。とある異国で子ども相手に書道のデモンストレーションをやったことがあって(ちゃんとした先生がいらっしゃる筈が都合でお見えにならなくて、急遽)それはそういえば、けっこう楽しかったですが。
なんで私は楽しめるようにならなかったんですかねぇ。そこはもう少し考えてみたいところです。
Commented by mmemiya at 2008-10-13 23:07
うーん、基準が高い、んでしょうか?よく分からないけど、大体、紙の上に最初の点を置いた(筆を下ろした)だけで、「ああ失敗!!」と、そこで紙をくしゃくしゃに丸めて終わり、みたいなことを繰り返すタイプなもので、レベルが高くない割に、妙に完璧主義?なのかもしれません。年賀状は、高校の時の書道部の先生にだけは、下手でも筆を持って書くよう心がけてますが、あとは、最近は筆ペンすら使わなくなっているかも…。追加で数枚とかを印刷するのが面倒な時に、とりあえず筆文字でそれらしく書いて誤魔化す、なんてのはやってますが、あんまりきちんと習っていない細字だから、逆に多少は気楽にそういうことができるのかも??と、今思いました。
Commented by okimuff at 2008-10-14 22:50 x
娘が、フランスの田舎にいた折、知人宅に古いピアノがあるのを見つけ、それを弾くのがとても楽しみだったそうです。で、弾いていると、結構珍しいらしく、しかも娘は子どものように小柄なので「お前うまいけど、幾つなんだ?」なんて、窓から覗いた子ども達に尋ねられたと苦笑してました。
mmemiyaさん基準が高いんですよ。私なんかお目出度いから、白い紙にぼたーっと書く快感だけで「うまくいった!」と満足。ペン字のオリジナル体同様、恥ずかしげもなく書道も我流で楽しんでしまってます。墨汁ではなく磨った墨の濃淡、筆の勢いなど勝手に楽しんでます。手紙を書くときも、気軽に宛名書き筆で書いたりしてます。きっと、ちゃんとやっていないから怖いもの知らずで、楽しめてしまうのでしょう。きわめていい加減な性格なんですよ、私。(チョット誤字があり気になったので、書き直しました。)