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La Lune Lunatique

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ちらっと気になった >学校教育における習字の目的は?

そもそも、学校教育の中で、習字ってどんな位置づけなんだろー、何を目的にやるんだろー、と、現在の学習指導要領を読んでみました。

<以下、小学校の学習指導要領より>

毛筆を使用する書写の指導は,第3学年以上の各学年で行い,硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し,文字を正しく整えて書くことができるようにすること。また,毛筆を使用する書写の指導に配当する授業時数は,各学年年間30単位時間程度とすること。なお,硬筆についても,毛筆との関連を図りながら,特に取り上げて指導するよう配慮すること。


…というのはあるんだけど、何を目的にやるのかは、分かんないなぁ。各学年の国語の目標には、文字の書写は直接的には入ってないし。

音楽なんかだと、「表現及び鑑賞の活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに,音楽活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。」ってのが目的だそうですが、習字はあくまで国語科の一部なので、目標の中には、国語に関する部分しか出てこないんですよね。

戦後、いったん廃止された「学校における書道教育」を、豊道春海先生がGHQにかけあって復活させた…、と、私は師匠に聞かされてまいりましたが、まぁ、まだ当時は、普通の人が手書き以外の手段を用いるようになるなんてとても予想できなかったでしょうし、今とは状況が違いますわね。毛筆を使うこと自体は、それはそれで面白いことで、多くの子どもが触れることは意義のあることだとは、個人的には思いますけど、かといって書道の実用性が薄れた今、芸術科目として生き残れ、ってのも、なーんかちょっと違う気もするんだよなー。

ちなみに、日展に5科(書道部門)が出来たのも、主として豊道春海先生の尽力による…というのは、実は今回、ネット検索で初めて知ったんですが、今じゃあ星の数ほど(は、言い過ぎか)書道団体があって、みんなバラバラ、つながりなど皆無、って感じなのですが、大正時代、当時のほとんどの書家を集めた「日本書道作振会」という会を創立したのも豊道先生だそうで。(割とすぐ分裂しちゃったようですが。)はぁー。
「先生」をつけているのは、私の師匠がこの豊道春海の孫弟子にあたるので、お名前が挙がるときは当然「先生」つきだった、という、単なる習慣によるものです。もちろん、師匠は孫弟子で、直接教えを受けたわけではないが、お目にかかったことはあるそうで、私たち小学生中心のじゃりどもがお習字を習ってた教室には、時に、春海先生の直筆がかかっていたことを思い出します。(日本近代書道史に燦然と名を残す方ですから、お弟子さんの数もそりゃ多かったでしょうし、孫弟子となればいったい、日本全国に何人いらっしゃるやら、想像もつきませんが。)

実は母が最近、小学校に上がったらうちの子も習字を習わないと(もちろん、我が妹のところで)と、時々言うんですが、うーん、どうだろうなぁ…。楽しいのかなぁ…。ある程度の年齢まではひたすら模写みたいなモノで、やっぱ、ちょーっと情操教育とも違う感じだし、なにしろ「道」がついちゃうと、何事も精神修養みたいな香りがつきまといますが、わが子にやらせたいか、となると、実は???の私。果たして本人はどう感じるのでしょうか。
by mmemiya | 2008-10-09 23:46 | 日々雑感