どうも、豊かになって何をしよう、となると、消費ばかりがクローズアップされてたんじゃないかなぁ、と思うのですよね。
「いつかはクラウン」しかり、「三種の神器」しかりですね。あるいは、いい学校に入っていい会社に入って、その先の目標は一軒家を持つことであったりとか。
「豊か」とは消費することであり、商品にはグレードがあって、カローラを買えば終わりではなく、更に豊かになってクラウンを、なんて目標が出てくるわけですよね。
しかも、消費者は神様扱いだし、この国では。
どうもね、医療崩壊ってのも、この辺も絡んでいるような気がしてきました。
患者のことを「患者様」って呼ぶようになったでしょ。まんま「お客様」ですわね。
お客様ですから、自分が医療において主体であるとは思わない。自分がやることは、どこの医者の腕がいいのか、という情報収集。出てきた商品が欠陥(=失敗)だと思ってしまえば訴える。買い物をするように、レストランで食事をするように。(レストランの食事がまずいといって裁判に訴えることはできませんけどね。)
外国へ行くと、神様扱いの接客をされないので腹が立った、なんて話もちょくちょくありますが、いつからこうも、神様扱いをされるようになったんでしょうね。
とりあえず、「豊か」イコール「消費」という思考から自由になりたいんですが、なにしろ、それはもう、この国を発展させてきた経済システムと不可分なわけで、一朝一夕にはできることではないなぁ…。