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La Lune Lunatique

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数字を考える

「小学校へ行ったら次は?」「中学校へ行ったら次は?」などと聞いてきたあげく、うちの息子は、「僕は数字が得意だから、数字のダイガクインへ行く」とのたまっております。いやー、頑張ってくれ。バリバリ文系の父と母の子だが、期待しているよ。

下の「6個」の話には続きがあって、前日もみかんを食べていたので、「6たす4は10でしょ?最初は10個入ってたんだね」という発言が続いていた。で、つい、親馬鹿まるだして「あんたはすごい!」と私が言うので、本人はすっかり、自分は数が得意だ、と思っているわけだ。まぁ、なんかのドリルなどを与えてるわけでもないのに、数を数えたり引いたり足したりが好きなようだから、今のところ得意と言って間違いではないだろうが。

ところで、以前、石原東京都知事がフランス語の数字の数え方についてなにやら発言し、物議を醸したが(あの人は、数々の問題発言を見る限り、物議を醸すというのを充分予想した上で、「何者にも怯まず真実をずばっと言えるオレ」みたいな勘違いした陶酔をしているような気がするのだが思い違いだろうか)あれを聞いて思ったのは
「インドは数学で名高いけど、ヒンディー語の数詞の方がもっと複雑なんでしょ?1から100まで全部暗記しなきゃならんって聞いたぞ」ってことと、「アラビア語の数詞ってどうなってるのかな」ってことだった。
数学といえばアラビアで非常に発達を遂げたわけで、んで、そのアラビア語での数え方ってどうなのよ?と思ったのだけれど、思っただけで調べていなかったので、さっき、ちょっとネットをさまよってみた。
なんか、数詞そのものはかなり規則的だけど、男性形と女性形があって格変化するらしい…。しかも、1と2は、その数字が指すもの(「2人の女」といった場合の「女」)と性を一致させるが、3から9は反対の性の形を使う、とか、「数の文法」なるものが、ちょっと読んだだけではさっぱりわけが分かりません。いやー、やはり語学の世界は奥深すぎる…。
「世界の言語の数体系」というサイトによると、15進法の言語とか6進法、12進法、20進法の言語とかあるし。それを10進法に直して見てみれば確かに複雑だけれど、15進法や6進法、12進法、20進法としては例外がなくて規則的ならば、それを「難しい」というのはまたちょっと違うようにも思えますが。
英語みたいにかすかに12進法の名残がある(11、12だけ、13以降と違いますよね)という方が例外があってややこしいような。
アイヌ語も面白かったです。8と9がなくって、「あと2個で10」「あと1個で10」なんですって。そんでもって、10、20はあるのに30は「あと10個で2かける20個」、40は当然「2かける20個」、50は「あと10個で3かける20個」と、20進法みたいな感じで続いていく…。

こうやってみてくると、自分が日本語話者として育ったことに感謝したくなってくるが、これらの違いこそが文化の豊かさというものだろうし、<97>という数字を「4かける20たす10たす7」と読み上げているフランス語話者の方が、常に計算をしているから数学に強い、なんて詭弁を弄することもできそうな気もするが…。ま、実際には、計算をしてるというより習慣になっちゃってるんだろうし、フランスで「おつりの計算間違い」というのはよくあること、という意見もあるわけだが。
by mmemiya | 2007-10-24 23:45 | 日々雑感